5月15日の日曜日。
この日は、オリンパスデジタルカレッジの人物撮影テクニック講座エピソードIの撮影実習の日でした。

カメラ業界では、多くの習い事。カメラ講座、カメラ教室が開かれています。
それこそ、街の写真屋の開かれる体験講座、学習会さんから、
ヨドバシやキタムラなどの大手カメラ量販店の撮影講座や、
NHK文化センターなどのカルチャースクールのカメラ講座、
はたまた、PHaT PHOTO写真教室などの雑誌が主体の写真教室、
写真専門学校の講座や、ワークショップなど、枚挙に富みません。

また、大撮影会などのイベントとしての撮影会も多数開かれています。

中でも、カメラメーカー自身が開くカメラ教室は、当然、そのメーカーのユーザー、
場合によっては、自分が使用している機種の為の講座が開かれています。
また、常設となるCanonのEOS学園や、幅広く開催しているオリンパスのデジタルカレッジは、
より、深く学べる講座が多数揃っています。

そして、その中でも、人気の講座の一つに、ポートレート撮影講座(人物撮影講座)があります。

例えば、大自然を撮影する風景撮影、お花を撮影すること、街中のスナップ撮影。
あるいは、愛犬や愛猫などの動物の撮影。

これらと比べて、人物撮影は、よく難しいと言われます。
なぜでしょうか?
風景は、気に入るまでじっとしています。
勝手に動きません。
お花も、勝手に動きません。
街中も、撮る対象は、自分で見つけて、好きな位置、好きなタイミングかれ勝手に撮れます。

愛犬・愛猫は、多少難しくて、
やはり、勝手に動き回るので、撮るタイミングが大変です。
それでも、最後は、撮る側の勝手で撮れます。

ところが、人物撮影は違います。
ヒトとヒトとが向き合って撮影を行います。
黙ってじっとしていれば、にらめっこになりますし、
モデルさんは、困ってしまうか、プィっとそっぽを向いてしまいます。

相手は、人間です。
お互いに気持ちよく撮るには、意思の疎通が必要です。

ポートレートは、勝手に撮れるモノではなくて、
撮影者とモデルさんの共同作業になるわけです。

モデルさんの気持ちを落ち着かせ、リラックスさせて、
適度に話を弾ませて、朗らかな笑顔を惹きだし、
ステキな顔を撮りたいわけです。

よく、身内の写真が一番といわれるのも、気の置けない身内だからこそ、
警戒感のない、その顔の中から、ステキな笑顔が現れるものです。
そこが、シャッターチャンスとなります。
あまり、こちらから、和ませる必要がないのが利点ですが、
逆に、気を抜きすぎて、だらけないかが身内の撮影の問題点ですね。
その点、家族からの撮影慣れしているお子さんは、抜群です。
いつでも、撮って欲しいのですし、後は、如何に良い瞬間を見つけるかだけですね。

これが、多人数での撮影会とかではどうでしょうか?
一人、一人の撮影者と話をしている余裕はありません。
モデルさんの気持ちを落ち着かせている余裕もありません。
多人数に囲まれて、モデルさんは緊張しっぱなしです。
あるいは、手慣れたモデルさんのあしらいにあうかもしれません。
勢い、囲みのモデル撮影は、モデルさん次第となります。
良いも、悪いも、モデルさんの仕草、動作、ご機嫌しだいです。
撮影の主導権は、主催者の進行や、モデルさんとなります。
こんな中からですと、良い写真は、偶然のチャンスだけですね。

そして、少人数での人物撮影講座は、どうでしょうか?
ある意味で、1対1の個人撮影や、少人数撮影に一番近いのですが、
撮影の主導権を、撮影者が持つコトの基本を学ぶモノです。

人物撮影全般として、
◎モデルさんとコミュニケーションを取ること。←これが非常に重要。
◎撮影の段取りを整える。←どんどん撮って行くには、段取りが重要です。
◎如何に撮るかの発想力を持つコト。←これは、人物撮影に限りません。
◎撮る事の決断を早く。←撮影はテンポ良く。
◎撮影に対する集中力を高く持つ。
◎周囲・背景に気を配る。←熱中すると、直ぐ忘れがちですが、常に背景を処理する方法を考えます。

撮影に関して
○正面を撮るだけでなく、あらゆる方向からの撮影を試みる。
 モデルさんに、右を向いて貰い、左を向いて貰い、上を向いて貰い、下を向いて貰い、
 撮る方も、右から撮り、左から撮り、上から撮り、下から撮る。

○如何に良い表情となるかを考えながら撮る。
 モデルさんも、キレイに見える角度があります。
 例えば、顔を撮るのに、一番ステキなのは、正面なのか、斜め右45度なのか、斜め左45度なのか?
 同様に、少し上からなのか、少し下からなのか、あるいは、これらの組合せを考えます。
 まあ、考えるというか、最初に、少しずつ変えながら試し撮りして、一番のステキな位置を把握します。

○如何にキレイな仕草・スタイルとなるかを考えながら撮る。
 例えば、上半身を撮るのに、下半身を少しネジって貰う。←体の線が細く見えます。
 同様に、腕を入れたポーズでは、腕の角度を少しずつ変えて貰って、細く見える位置を探します。
 脚は長く見せる方が良いか?あるいは、交差するポーズが良いのか?

○モデルさんの一番の重視したいポイントを探します。
 目はキレイでしょうか?←目は口ほどにものを言います。
 髪の毛はキレイでしょうか?←写真では、目と同等に近いほど重要です。
 腕はキレイでしょうか?
 脚はキレイでしょうか?
 腰・腰のくびれはキレイでしょうか?
 全体のスタイルは素晴らしいでしょうか?

○光は足りているでしょうか?
 自然光、人工光(クリップオンフラッシュ、大型ストロボ、日中シンクロ)、レフ板
 レフ板の大きさ、数は、足りているでしょうか?
 レフ板の白・銀の反射量は適切でしょうか?←往々にして銀レフは光過ぎです。
 なによりも、レフ板の光の当て方は適切でしょうか?←レフ当ては技術です。

○背景の処理は重要です。
 回りの背景はキレイでしょうか?←背景に、ゴミやゴミ箱は見せたくないですね。
 モデルさんの延長上に木や電柱などが、串刺しに見えませんか?←頭から電柱は避けたいですね。 
 背景は、ミドリの樹木が良いでしょうか?←背景がキレイです。
 あるいは、公園の人工物などが良いでしょうか?
 背景に、雰囲気を出すヒト、子供、自転車、動きのあるモノを入れているでしょうか?
 モデルさんと、背景の関係は適切でしょうか?←ボカして立体感を出す?回りの雰囲気を出す?

○自然の状況を味方に付ける。
 風が吹いてくれれば、モデルさんの髪の毛がなびきます。
 逆光であれば、モデルさんのカラダ・髪の毛が光り輝きます。
 通り掛かったカップル、ヒト、子供、自転車、自動車、船、なんでも、良い雰囲気に利用します。

○最後は、モデルさんの表情です。
 良い笑顔が一番ですが、あえて、違う表情を撮る事もあります。
 泣き顔
 困った顔
 驚いた顔
 寒さに震えた顔
 暖かさに満ちた顔
 幸せそうな顔
 悲しそうな顔
 何が良いかは、撮るヒトの気持ち、発想しだいです。



さて、ということで、5月15日の撮影実習の様子です。
この日は、築地本願寺前で集合して、直ぐに、築地川公園に移動します。
少し、送れたので、みなさん、築地川公園で撮影実習のオリエンテーリング中でした。
まずは、何人かに別れて、撮影場所を探します。
今回は、参加者が少なくて7人でしたので、時間的には余裕があります。
多人数ですと、なかなか、撮影時間がとれません。

今回のモデルさんは、2年前17才の時に石川県からバスで上京して努めてくれた
西川奈七(なな)さんが、19才になって間もない再登場です。
グッと大人になって、キレイになっていました。
◎「9月のオリンパスデジタルカレッジ人物撮影講座、晴海ふ頭での撮影実習
この時の脚の長〜いモデルさんです。

良く晴れて、光も十分にありますので、逆光気味のポイントを探します。
意識して撮る。
イメージして撮る。
常々、土屋先生に言われていることです。
身についているかは不明ですが。

場所を移動して、あかつき公園の林です。
ここは、一見して、森林の中、高原の林の中に見えます。
ここでのテーマは、如何に高原っぽく見せるか?です。
如何に、公園の遊具や周囲の邪魔なビルなどを排除して、森林だけに見えるようにするかです。
広角、超広角が使い処です。
しかし、失敗して、9-18mmを持参するハズが、14-54mm IIを持ってきていました。
この日は、大口径レンズの14-35mmを持っていますので、完全に被っていて不要でした。
途中で、スーパーレフ隊で参加の人部撮影講座仲間のshigeちゃんが8mm魚眼レンズを貸してくれました。
お陰で、超広角というよりも、魚眼は広いよどこまでも、が撮れました。
ありがとう、shigeちゃん。

そして、さらに場所を移動して、あかつき公園の噴水広場です。
ここの噴水を活かすと、草津温泉の湯の花畑のような、温泉地の様相の写真が撮れます。
残念ながら、折からの震災の影響で、公園の噴水は止まったままです。
それでも、背景を整理して、できるだけ光を使った撮影はできそうです。

この日は、Impressさんのデジカメwathの取材が入っていました。
6月に2つの写真展を開かれる土屋先生の取材です。
その取材をされていた大御所のポートレート写真家の先生が、ゲスト参加として、デモンストレーション撮影してくださりました。
そこで、感じたのは、まず、光と影を活かす撮影場所を難なく探し当てています。
そして、シチュエーションを活かした効果的な撮影をされます。
一同、見とれてしまいます。

終了後、通常は、打ち上げ(もぎめ)に入りますが、
その大御所のポートレート写真家の先生が、土屋先生を激写している所について回れました。
今回は、超ラッキーだったです。

また、今回、いつもの人物撮影講座の常連仲間が、スーパーレフ隊として協力してくれました。
ありがとうございます。

機材は、Olympus E-5+ED14-35mm F2.0SWDと、実習時にレンタルしたED150mm F2.0レンズです。
それと、blog用の撮影に、Olympus XZ-1+電子ビューファインダーVF-2です。
ここから、blog用の撮影に、Olympus XZ-1での撮影です。
1)築地川公園にて。
2)既に、皆さん集まっています。
3)参加者7人なので、手伝いのスーパーレフ隊の皆さんが入って賑やかです。
4)私のE-5+お借りしたED150mm F2.0を使用してデモ撮影をする土屋先生。
5)モデルの奈七(なな)さんは、突然、オトナっぽいステキな顔を覗かせます。
6)後から撮っているので、こんな風にも撮ってみました。アートフィルターのドラマチックトーンで。
7)あかつき公園の噴水広場にて。残念ながら、噴水は止まっています。
8)土屋講座恒例の匍匐前進スタイルでの撮影。
 またまた、土屋先生のカメラは、私のE-5なので、後からXZ-1で撮っています。
9)記念撮影後、土屋先生と奈七ちゃんのツーショットを。

ということで、ここから、E-5で撮影した写真です。
10)最初の4枚目のショットです。
E-5+お借りしたED150mm F2.0
11)ステキな横顔。
E-5+お借りしたED150mm F2.0
12)逆光に微笑んで。
E-5+ED14-35mm F2.0SWDレンズの35mmで。
13)垂れ下がる前髪にときめいて。
E-5+お借りしたED150mm F2.0
14)満点の微笑み。
E-5+お借りしたED150mm F2.0
15)思いをはせて。
E-5+お借りしたED150mm F2.0
16)shigeちゃんにお借りした8mm魚眼撮り。
17)これも、8mm魚眼で。
18)笑顔が可愛い。
E-5+お借りしたED150mm F2.0
19)ヒールを片手に。
E-5+お借りしたED150mm F2.0