さらに、昨日の続きです。
○「辰野工場見学から、嶺岳寺さんでの曼珠沙華撮影へ。その2
○「オリンパスの辰野工場見学と、信州伊那高原の赤そばの里撮影会に行ってきました。その1

長野県下伊那郡松川町生田(まつかわまち いくた)438にある 嶺岳寺 (れいがくじ)
お寺の案内では、
「台風により多少 倒れましたが夏の猛暑の影響で、梅の木の下の涼しいところから咲き、
 全体では疎ら咲きです。周辺部のは射の強いところは花芽のでもこれからです。
 見頃は24日〜27日頃です。
 〜〜〜〜〜〜〜」
などとあります。

嶺岳寺 (れいがくじ)の境内には約3万本の彼岸花が植えられているそうです。

今日は、思う存分、嶺岳寺さんでの曼珠沙華からです。
大きな曼珠沙華は、とても撮りにくいお花です。
大きいお花は、ピントを合わせにくいです。
 まず、ボカして撮ると、被写界深度が浅いので、普通のサイズのお花でも、
 どこに、ピントを合わせて、どこまで、ピントがあった範囲にするか悩みます。
これが、大きなお花の場合には、一段と困る事で、手前と、中心と、奥で全くピントがあった範囲が異なります。
そして、真っ赤な花である事。
 何度も言いますが、赤色は、デジタルカメラの不得意な色です。
 色の表現できる範囲が0-255の256段階しかない為に、深みや、明るみを表現しきれないのです。
 すぐに、黒つぶれしたり、色飽和して白くなってしまいます。
 特に、赤の場合には、色飽和がすぐに現れます。
 赤い花の赤の中に、白い色や、白っぽい表現があると、色飽和をまず疑います。
 結果として、本当に白が混じっていたり、反射による白い部分があるケースが見分けがつき難いです。
さらに、曼珠沙華は、一面の赤になるように、群生している事もあります。
 一つの赤だけでも困難を招きますが、一面の赤、隙間のない赤は、赤い絨毯のようなものです。
 色飽和は、白飛びだけでなく、赤潰れも招きます。
 特に、一面の赤は、殆どの花が、諧調のないベタっとした赤になってしまいがちです。

そうした中で、では、どうやったら、曼珠沙華を綺麗に撮れるでしょうか?
○できるだけ、1本、2本だけ咲いている曼珠沙華を選ぶ。(群生の密集を避ける)
○背景は、明るいところよりも、暗い背景を選ぶ。(赤の色飽和の防止)
○薄暗がりに、スポットライトのように狙った花にだけ光が当たっている曼珠沙華を選ぶ。
○露出は、背景に引きずられて、赤の色飽和が発生しないように、
 できれば、スポット測光で曼珠沙華の一番濃い赤色の部分を狙う。
 あるいは、マニュアル露出でやはり、一番濃い赤色の部分にあわせる。
○JPEG+RAWで撮影して、RAW現像で、赤色の色飽和を押さえる露出補正を行う。
○どしても、明るい背景が欲しい場合には、Photoshopなどのレイヤー処理で、
 露出補正して赤色の色飽和のない曼珠沙華だけのレイヤーと、
 明るく補正した背景だけのレイヤーを、重ね合わせる。

こんなところでしょうか?
私自身は、できるだけ、現場で、赤色の色飽和を防ぐ露出で、JPEG+RAWで撮影して、
それでも、色飽和しているものは、RAW現像して回復させている程度です。

でいぶさんのblog「でいぶ寫眞館 -開店休業中-」に、「曼珠紗華 2011 - 緋のエクスタシー -」という、私と同じOlympus E-5で撮られた、妖しいまでに美しい、超絶に素晴らしい曼珠沙華の写真が載っていますので、是非、ご覧下さい。

ということで、今日も、嶺岳寺さんでの曼珠沙華撮影からです。
なお、赤い花は、すぐに満腹(見飽きる?)してしまうので、いつもよりも、枚数を絞っています。

また、今日のオマケですが、Adobeから、Adobe Photoshop Lightroom 3.5と、 Adobe Camera Raw 6.5 updateがリリースされています。
詳しくは、「続きを読む」へ、どうぞ。

機材は、Olympus E-5+ED14-35mm F2.0 SWDレンズと、ED150mm F2.0レンズです。
ここから、Olympus E-5+ ED150mm F2.0レンズです。
1)最終的に、Camera RAW 6.5RCで現像して、PS CS5で整えた一枚です。
2)シベをアップにして。
3)背景のグリーンと、赤いボケを生かして。
 サムネールは、ちょっと濃くなっていますが、拡大して見て頂くと印象が違うと思います。
4)暗闇の中のイメージで。
 サムネールは、凄い濃くなっていますが、拡大して見て頂くと印象が違うと思います。
5)曼珠沙華のつぼみは、トンボの好きな場所のようです。
6)宙に浮いている一枚が撮れました。
7)彼岸花の二重奏。

8)南アルプスの青空と雲と